Life Supporting Award 表彰のご紹介2020年07月13日


Life Supporting Award

LSOが実施している認定プログラム 「Life Supporting First Aid」 を修了された方が、けがや急病人に対し、手当てを行った善意と勇気を賞賛するものです。

新型コロナウイルス感染拡大により、ほとんどの講習が延期や中止になっている中でも、人びとの緊急事態は待ってはくれません。
そのような中で、LSFA認定を取得された方が通りがかりに行った善意の応急手当についてインストラクターから2件のご報告がありましたのでご紹介します。

1.手当実施者:松村 巌さん

2.手当て実施日:2020年 6月 8日  午後5時頃

3.場所:東京都国立市内 公園にて

4.傷病者の概要:意識を失い仰向けに倒れていた

5.手当ての概要:
会社から帰宅途中に公園の脇を歩いていたところ、地面に仰向けに倒れている人を発見した。すでに2名の方が声をかけていたので、協力して声がけをしたところ呼吸は確認でき、反応も少しあるが声による返答は無い。声がけを続けると話ができるようになり体を起こして座った。出血や痛みがないことを確認したが、倒れた際に頭を打っている可能性を考え、傷病者本人の同意を得て119番要請した。そして救急車が来るまで声をかけ見守りを続けた。到着した救急隊に様子を伝え引き継いだ。


1.手当て実施者:工藤澄乃さん

2.手当て実施日:2020 年 7月 8日  午後8 時半頃

3.場所:東京都港区 芝浦緑地内にて

4.傷病者の概要:歩行中にふらついて倒れ頭から出血

5.手当ての概要:
仕事帰りの帰宅途中、60代くらいの女性が倒れているのを発見。若い男性が寄り添い、他に2名の男性が救急車要請の電話中だった。
大丈夫ですか?と声をかけると、寄り添っていた男性(目撃者)が「ふらふらして倒れた」との情報。傷病者自身は何が起きているのか分からずに立ち上がろうとするので、私が「そのまま横になっていて下さいね」と声をかけて体を支えた。その際、頭の下から地面に血が流れているのを確認した。
傷病者の女性は何が起きているのか理解できず、家に帰りたいと不安な様子だったので、気を紛らわしながら意識状態を確認するために、男性といっしょに話かけ続けながら救急車を待った。
救急隊に引き継ぐ際、隊員から手の消毒措置を受けた。
女性はマスクをしていたが、心配なので帰宅後すぐにシャワーを浴びた。
今回は意識のある傷病者だったが、コロナの現状で人工呼吸はどうしたらよいか・・考えてしまう出来事だった。


6.LSO事務局からのコメント
救助活動ほんとうにご苦労さまでした。
救助者のコメントにもあったように、新型コロナウイルス対策中の心肺蘇生はどうすべきか?という心配が皆さんにもあると思います。
そこで、パンデミック中の心肺蘇生についての国際的な合意と、それに基づく国内の指針が出されたので、以下にご紹介します。

1)成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAED による電気ショックを実施する。

2)こどもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。※こどもの心停止は、窒息や溺水など呼吸障害を原因とすることが多く、人工呼吸の必要性が比較的高い。

3)胸骨圧迫のみの場合を含め心肺蘇生はエアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)を発生させる可能性があるため、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応する。
→解説:具体的には、
①声をかけたり呼吸を確認する際に、あまり顔を近づけないようにする。
②胸骨圧迫を開始する前に、傷病者の鼻と口にハンカチやタオル、あるいはマスクや衣類などをかぶせてエアロゾル飛散を防ぐ。などの感染対策を施します。

4)実施後には速やかに石鹸と流水で手と顔を十分に洗う。

皆さんも、万一の緊急時にはご自身の安全を最優先に行動されてください。








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このブログについて

LSOは1993年創設以来、年2回のニュースレターとしてLSOメールを発行してまいりました。しかしこの20年間でインターネットやメールなど電子媒体の利便性が大きく向上し、即時性、双方向性、コスト面、そして紙面の制約を受けないなど、多くの利点が発揮されるようになりました。LSOでもこの利点を生かし、2012年7月から、安全活動や講習リポートなどをブログでお知らせすることにいたしました。
なお紙媒体のLSOメールはしばらく休刊し、今後はブログをメインにした活動報告を行って行く予定でおります。

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