LSO定期講習会 (2024年 第4回) ― 2024年11月11日
日程:2024年11月9日(土)
会場:大田区池上会館(東京都大田区)
受講者:2名
担当:伊東和雄(LSO事務局)、内田孝一、一桝晃伸(LSOインストラクター)
9月に予定していた定期講習会(静岡コース)が台風で中止になってしまったため、シーズン終盤ではありますが定期講習会を実施しました。参加者のうち1名は自動車関連会社でレースやイベントのサポートをされている方、もう1名はサーキットでオフィシャル活動をされている方でした。
少人数のため、実習では一桝、内田インストラクターが一対一で指導を行い、質問に応えながら丁寧に進めさせていただきました。
心肺蘇生はコロナ流行以来、胸骨圧迫のみの訓練を行っていましたが、今回から感染防止と人形への消毒を徹底した上で、任意で吹き込み練習を再開しました。
また、2名ともサーキットで活動されているため、脊椎損傷の疑いがある傷病者の扱い方に加え、二輪用ヘルメットリムーバー、四輪用ヘルメット&FHRの扱い方を確認しました。
定期講習会にはどなたでもお申込みできますので、どうぞご参加ください。
開催予定、申込み方法など、詳しくはLSOオフィシャルサイトをご覧ください。
写真1:心肺蘇生とAEDの使用

写真2:直接圧迫による止血法

写真3:ヘルメットとFHRの扱い方

救出訓練用に 「Extrication Basic」 プログラムを開発中 ― 2024年11月20日
LSOの認定講習では救命処置や応急手当に加え、モータースポーツや交通事故などで首や背中(脊髄)の損傷が疑われる際の対応方法を学んでいます。
そしてサーキットをはじめとした競技会場で活動するレスキューメンバーは、こうした高エネルギーによる損傷を想定した訓練を頻繁に行っています。
そこでLSOではサーキットと連携し、救出訓練の際に必要な基礎知識や基本スキル、さらに現場における応用方法を標準化するため、救出訓練プログラムとしてテキストと動画にまとめる作業を進めています。
プログラム開発は2023年に開始し、サーキットから選出されたタスクメンバーの協力により内容の検討が進められてきました。
また必要な画像の撮影も順調に進み、開発の最終段階に入ってきた状況になりましたので、ここまでの経過をご紹介いたします。
プログラムの概要(予定)
1.脊椎運動制限(SMR:Spinal Motion Restriction)の基本手技
1)SMR の要点
2)ログ・ロール
3)リフト
2.救出用具の使用
1)頸椎カラー
2)バックボード / スパインボード
3)スクープストレッチャー
4)陰圧式スプリント(ビーンズバッグ)
5)KED(Kendrick Extrication Device)
3.ヘルメットの取り扱い
1)仰向きでのヘルメット離脱(二輪)
2)着座状態でのヘルメット離脱(四輪)
4.救出活動の実際
1)活動にあたっての注意
2)二輪ライダーの救助
3)四輪ドライバーの救出
4)救急車内ストレッチャーの使用
テキスト用に撮影した写真の一部を下記に掲載しましたのでご覧ください。これらの写真はモビリティリゾートもてぎ、および筑波サーキットの協力により撮影したものです。
プログラムは来シーズン開始までにパイロット版を完成させ、その後にサーキットの医療チームやレスキューメンバーなどから意見や助言をいただきながら改訂を重ねて行く予定です。
このプログラムがモータースポーツ安全活動における基本知識とスキルの標準化に役立つことを願っております。
写真1:ログ・ロール法(うつ伏せ)

写真2:ログ・リフト法

写真3:頸椎カラーの装着

写真4:バックボードへの収容

写真5:ヘルメットリムーバーの使用(二輪)

写真6:ヘルメット&FHRの離脱(四輪)

写真7:スクープストレッチャーへの収容

写真8:スクープストレッチャーへの収容(うつ伏せ)

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